Q&Aコーナー
自動車リース法務Q&A(基礎編)

1.法律

Q1.

所有者、使用者ともに個人名義となっている自動車をリース物件として他人に貸渡すことはできますか。

A1.

自動車リース契約は車検証上の所有者をリース会社、使用者をお客様(借受人)として登録されることが大前提となります。
法人、個人にかかわらず、自身が「使用者」となっている自動車をリース物件として第三者とリース契約を結ぶことはできません。

Q2.

旅客・貨物運送事業用自動車(緑ナンバー、軽自動車は黒ナンバー)をリース車両として取り扱うことはできますか。

A2.

できます。
かつては運送事業者が所有権を持たないリースの利用については制限がありましたが、現在では撤廃されています。

Q3.

レンタカーをリースで調達できますか。

A3.

できます。
ただし、レンタカー会社はお客様に転貸することになりますのでリース契約においては転貸を承諾する旨の特約などが必要となります。
またリースによるレンタカーの許可を受ける手続は「リース契約書」に「転貸の承諾書」添付(東京運輸支局の場合)することになりますが、各支局により若干取扱いが異なりますのでご注意ください。

Q4.

自動車をリースで使用する場合、車庫は必要になりますか。

A4.

必要です。
リースの場合であっても、自己保有する場合と同様に車庫を確保し、車庫証明を取得する必要があります。

Q5.

リース契約の場合、自動車の登録は誰が行うのですか。

A5.

自動車の登録は、所有者であるリース会社の義務となります。
実務上は、リース会社から委任を受けた自動車ディーラーや行政書士が行うことが一般的です。
法律上は新規登録・変更登録は「所有者」、移転登録は「新所有者」の義務とされています。

Q6.

自動車リースを利用することにより、道路交通法上での取扱いに何か違いが発生しますか。

A6.

発生しません。
道路交通法に定める多くの事柄(特に安全の確保)は運転者及び使用者に課せられたものですので、自動車リースの利用により運転者及び使用者の義務については何ら変わることはありません。

2.契約

Q7.

リース車両が事故により全損となってしまった場合の契約の取扱いはどうなりますか。

A7.

一般的にリース契約では中途解約は認められていません。しかし全損事故など車両の滅失を伴う場合は、契約を解除せざるを得ません。この場合、お客様にはリース会社から契約に定められた中途解約金が請求されることになります。

Q8.

お客様がリース期間中にリース車両に取付けた架装・部品などはどのように取扱うことになりますか。

A8.

一般的にはお客様がリース会社に無断でリース車両に架装・部品などを取付けることは契約条件で禁じられています。
この場合、併せてそれらの架装・部品などはリース会社の所有物となる旨、契約条項に定められています。

Q9.

自動車リース契約の際、担保は必要となりますか。

A9.

担保には債権回収の確実化のために供される「物的担保」と債権回収の確実化の為に債務者以外の人が、支払う又は履行することが担保される「人的担保」があります。自動車リース契約においても、人的担保については、代表者の連帯保証人というかたちでお客様に申し出る場合があります。一方、一般的に自動車リース契約の場合は、物的担保の提供までは不要としています。
自動車リースの場合、リース車両の所有権が登録により明確に担保されており、自動車の汎用性により中古相場も安定しているためであると考えられます。ただし、まれに次のような自動車のリース契約に担保が求められることがあるようです。
(1)特殊用途自動車 (2)汎用性の全く無い自動車 (3)契約が高額となる自動車